060 急速に寛容さを失った日本人!

1. 日本人の幸福度

前回は、購買力平価と物価水準について取り上げてみました。

かつて日本はスイスを抜き、世界一の物価水準を誇っていたことが分かりました。

1990年~2000年に掛けてピークを迎え、急速に停滞した日本経済。。。

現在は物価水準も他国並みに低下し、これから足並みをそろえて再び上昇傾向に転換できるか、という局面ですね。

そこに来て、消費増税、コロナショックなわけですが。。

この停滞している間に、日本の中で変化したものがいくつもあると思います。

国民の年齢構成もそうですし、幸福度についても変化しています。

以前、2019年に国連から発表された幸福度について取り上げました。

参考: 私たちは一体”幸福”なのか

先日2020年版の調査結果が発表されましたので、今回はその結果を取り上げてみます。

日本の幸福度はこの1年でどのように変化したのでしょうか。

まず2019年版の調査結果を表1に示します。

表1 幸福度 2019年 (国際連合:World Happiness Report 2019)

幸福度 2019 World Happiness Report

数値はそれぞれの評価項目ごとの順位です。

156か国中、日本は総合で58位です。

G7で最下位、OECDで下から5番目で、韓国よりも幸福度が低いという評価です。

特に目立ったのが、寛容さ(Generosity)が92位という部分ですね。

社会的支援(Social support)や自由度(Freedom to make life choices)も良い評価とは言えません。

2. 日本人の「寛容さ」が急落!

それでは、最新の2020年版を見てみましょう。

表2 幸福度 2020年 (国際連合:World Happiness Report 2020)

幸福度 2020 World Happiness Report

表2が2020年版の幸福度調査結果(World Happiness Report 2020)です。

表1の表記に合わせて、各項目の数値を順位に置き換えています。

元データなどの詳細は下記をご参照ください。

参考: World Happiness Report 2020

日本は総合で58位から62位に後退しました。

G7で最下位、OECDでも下から3番目です。

OECDの最下位はトルコ(93位)、次がギリシャ(77位)です。

それぞれの項目で見ると、社会支援が50位→54位、自由度が64位→73位、1人当たりGDPが24位→25位、健康寿命が2位→3位と後退しています。

政治腐敗が39位→32位で上昇していますが、なんといっても寛容さが92位→151位と急落していますね。

寛容さは153の国と地域の中で151位というショッキングな順位です。

ちなみに152位はボツワナ、最下位はギリシャです。

いち日本人として、これは看過できません。

3. 寛容でも幸福でもない日本人

少し評価項目の詳細を見てみたいと思います。

寛容さ(Generosity)は、「慈善活動に寄付をした金額」の1人当たりGDPとの差分として定義されます。

寄付の金額をもって寛容さを評価するのもどうかと思いますし、寄付についての文化や習慣の違いもあると思います。

前回も、例えばお賽銭はカウントされているのか、などのコメントを寄せていただいたりもしました。

お賽銭の扱いについては、実際のところはわかりませんでしたが、宗教上の寄付についてはカウントされているようです。

ただしあくまでも金額ベースでのカウントのようなので、お賽銭レベルの金額では大した評価にはならないのかもしれません。

寛容さの上位は次の通りです。

1位 ミャンマー

2位 インドネシア

3位 ハイチ

4位 ガンビア

5位 ケニア

6位 タイ

7位 イギリス

18位 アメリカ

23位 カナダ

43位 ドイツ

81位 韓国

82位 イタリア

117位 フランス

151位 日本

ミャンマーは国民が世界一寄付をする国として知られていますね。

インドネシアはイスラム教の影響が強いかもしれませんね。

イスラム教では、ザカートと呼ばれる「困窮者を助けるための義務的な喜捨」という仕組みがあるようです。

イギリスも慈善活動が根付いた国として知られていますね。

「寛容さ」を寄付金額で評価するのはどうかと思いますが、この順位には確かに最近の日本人の非寛容さについての示唆があるのかもしれません。

最近のメディアやSNS上でも、特定の事例(例えばコロナ騒ぎ)などに関連した他者への中傷誹謗や、特定の国家・組織等に対する批判・ヘイトスピーチに満ち溢れていますね。

経済的に困窮してる人が増えている事と関係もあるのだと思いますが、本来「思いやり」「おもてなし」など、寛容さについては世界に誇れる国民性があると思います。

この寛容さが急速に失われている様が、端的にではありますがこの順位にも表れているのかもしれませんね。

少なくとも国連からは「寛容でも幸福でもない人たち」との評価を受けてしまっています。

他者への寛容さは、やはり自分に余裕が無ければ生まれないと思います。

そもそもが地震、台風、津波、噴火などの自然災害、隣国の脅威、資源の制約など、日本は他国に比べると大きなハンディキャップを持った環境ですね。

そのような環境の中で、国民同士がお互いに寛容さを持って助け合う事は本当に重要な事だと思います。

いつ自分が災害等に見舞われ、救われる側に回るかもわからないわけですし。

それぞれの人が、他者に寛容になれるよう、豊かで余裕のある生活を実現するために、私たちには何ができるでしょうか。

皆さんはどのように考えますか?

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