消費税増税は一体誰のためか?

1. 驚きの国税の推移!

前回は、OECD各国と日本の消費額を比較することで、日本では消費が停滞しGDPの成長も低水準であることが分かりました。

2019年10月から消費税が8%から10%に増税されました。

給与所得が伸びない中、停滞している消費にさらに税金をかけるわけですから、当然この先も家計消費は停滞あるいは減少していく事すら予想されます。

家計消費はGDPの約55%ですので、日本経済のさらなる停滞につながるのは目に見えていますね。

(そこに来て今回のコロナショックですから、本当に先が見えないですね。。。)

日本では、何故このような事が行われるのでしょうか。

今回はまず日本の税収(国税)を見ることで、消費税が増額されてきた流れを見てみたいと思います。

国税徴収の推移 累積

図1 国税徴収の推移 (国税庁 国税徴収状況 より)

図1に国税徴収の推移を示します。

国税庁の国税徴収状況というデータになります。

国税徴収で割合が大きいものは、法人税(青)、所得税(赤)、消費税(緑)です。

図では収納済額としています。

相続税、酒税、たばこ税、自動車重量税などはその他(グレー)に合算して入れています。

法人税は、法人税、地方法人税、復興特別法人税の合算値です。

所得税は、源泉所得税、源泉所得税及復興特別所得税、申告所得税の合算値です。

消費税は、消費税、消費税及地方消費税の合算値です。

特徴的なのは、1990年頃までは税収は右肩上がりで伸びていたのですが、

1990年頃(1990年バブル崩壊、1989年消費税導入)を契機に税収が停滞します。

所得税、法人税のみを合わせた税収では1990年がピーク(約45兆円)となっており、

現在に至ってもこのピークを越えていません。

その代わりに消費税(グラフ緑色)が徐々に増えていき、何とか全体として横ばいを保っているような状況です。

直近の2018年では、国税徴収全体で約67兆円、法人税約14兆円(全体の21.4%)、所得税約19兆円(28.7%)、消費税約22兆円(33.4%)という状況です。

まだ2019年の増税前ですが、消費税収が最も多いわけですね。

2. 停滞する法人税・所得税、階段状に上昇する消費税

各税収の推移 国税

図2 各税収の推移(国税庁 国税徴収状況より)

図2は所得税、法人税、消費税だけ抜き出して推移を比べたグラフです。

併記してある数値はそれぞれの税収の税率を示します。

(税率に関しての出展はWikipediaです。手抜きですみません)

所得税率は1974年に最大75%(所得8,000万円以上)だったそうですが、1989年に50%(所得2,000万円以上)、それ以降は概ね40%前後となっています。

所得税のピークは1989年の約28兆円ですが、その後所得税率も下がった事もあり、減少、停滞しています。

ピークまでは最大税率を下げながらも税収は上昇していたわけですが、ピークを過ぎても税率を下げてそのまま停滞している状況ですね。

法人税率は徐々に引き下げられており、1952年に42%だったのが、1990年に37.5%、1999年に30%、2015年に23.9%となり地方法人税が新設といった状況になります。

(2003年に地方税のうちの事業税にて外形標準課税という仕組みが導入されています。)

こちらもピークまでは税率を下げながらも税収は上昇しているわけですが、ピークを過ぎても税率を下げてそのまま停滞しています。

このような推移を見るとバブル崩壊までの経済成長の過程において「税率を下げても税収が上がる」という成功体験から、「税率を下げれば税収があがる」といった判断がなされていないか勘ぐってしまいますね。

法人税率を下げても税収は上がるという現象を、”法人税パラドックス”というそうです。

消費税は1989年に導入(3%)、1997年に増税(3→5%)、2014年に増税(5→8%)、2019年に増税(8→10%)ですね。

増税のたびに階段状に金額が増えているのが特徴的です。

直近では法人税、所得税を抜いて国税として最大の税収源となっています。

所得税、法人税が下がり停滞する代わりに、消費税を増やして補填し、全体でみると何とか停滞状態を保っているという状況ですね。

2014年以降は順調に税収も増えているようですが、2019年の消費増税でどうなるのか、以降の推移に注目したいところです。

転機はやはり1990年前後ですね。

バブル崩壊と消費税導入が重なった時期をピークに税収が急激に落ち込み、停滞しています。

消費税を上げたから消費が減退し経済が停滞しているのか、経済が停滞して税収が減っているからそれを補填するために消費税を増やしているのか、、、

いずれにしろ消費税を増やす事で、税収を一定水準以上に保とうという政治的なマインドが働いているのは確かではないでしょうか。

今回はあくまでも国税に関する統計データを取り上げましたが、次回は地方税や社会保障負担も合わせた国民負担率についても取り上げてみたいと思います。

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