先進国の経済支配と存在感低下

1. 一定割合で増え続ける世界人口

前回は、長期時系列データで世界のGDPの変遷を取り扱いました。

利用したのはオランダのフローニンゲン大学 Groningen Growth and Development Centreで公開している、Penn World Table 9.1(PWT9.1)です。

元となるURLは、以下となります。

University of Groningen – Groningen Growth and Development Centre:  www.ggdc.net/pwt

GDP全体としては成長している中で、日本も含むG7のシェアが全体の53.5%から、直近の2017年では45.7%と低下がみられます。

G7+BRICs+韓国の主要国では、1970年の70.5%から、2017年では70.4%とほとんど変化がありません。

G7の経済が存在感を薄める中、BRICs+韓国の経済成長(特に中国)が目覚ましいですね。

それでは、人口はどうでしょうか。

今回は世界の人口について焦点を当ててみたいと思います。

世界の人口推移 Penn World Table

図1 世界の人口推移 (Penn World Table 9.1 より)

図1は世界の人口推移を示します。

単位は[百万人]です。

前回同様、Penn World Table 9.1のデータより、データのある全ての国と地域を積算しています。

ただし、1970年からデータのある国や地域もあれば、途中からデータが出てくる国や地域もありますので、

厳密なデータではない点がありますのでご容赦ください。

前回のGDPのデータと比べると、単調というか面白みのないグラフになりました。

1970年に約37億人の人口が、直近の2017年には約75億人と47年間で2倍程度に増加しています。

いくつか言えそうなことは、G7の人口があまり変化していないという事です。

G7(日本、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、カナダ)の人口の合計は1970年で約5.8億人、

2017年では7.6億人と1.3倍程度の増加です。

中国、インドがやはり大きな存在感がありますが、グレーのその他の国と地域の伸び方のほうが大きいようです。

それでは、各年代の人口シェアも見てみましょう。

2. 既に中印2か国の存在が大きかった1970年

主要国の人口シェア 1970年 Penn World Table

図2 世界の人口シェア 1970年 (Penn World Table 9.1より)

図2は1970年の人口シェアです。

全体で37.3億人の人口と推定されます。

G7で5.8億人で、15.4%のシェアです。

この時GDPはG7で53.5%のシェアがありました。

G7+BRICs+韓国の主要国では、22.1億人となり59.3%のシェアです。

この時のGDPは主要国で70.5%のシェアがありました。

3. 主要国のシェア減少が顕著となる1995年

主要国の人口シェア 1995年 Penn World Table

図3 世界の人口シェア 1995年 (Penn World Table 9.1より)

図3は1995年の世界シェアです。

日本経済が世界GDPの17.5%を占め最も輝いていた時代ですね。

この時の人口は1億2600万人で、世界全体の2.2%でしかなかったわけですね。

世界全体では57.5億人の人口と推定されます。

G7の人口は6.8億人で11.8%のシェアまで落ち込みます。

GDPはのシェアでは65.3%を占めています。

主要国の人口は32.3億人で56.3%のシェアです。

GDPのシェアでは74.1%です。

4. 中国の存在感低下という事実

主要国の人口シェア 2017年 Penn World Table

図4 世界の人口シェア 2017年 (Penn World Table 9.1)

図4は2017年の世界シェアです。

全体で75.3億人と推計されます。

G7の人口は7.6億人で、10.1%のシェアです。

GDPでは45.7%まで一気に低下しています。

主要国の人口は39.2億人で、52.0%のシェアです。

GDPでは70.4%のシェアです。

一人っ子政策の影響と考えられますが、中国の占めるシェアがかなり低下しているようです。

さて、前回はGDP、今回は人口と世界全体の数値を扱ってきましたので、

こんなグラフも作ってみました。

5. 主要国による圧倒的な経済支配

経済的独占指数 推移

図5 経済的独占指数の推移

図5はGDPのシェアを人口のシェアで割った指数(便宜的に経済的独占指数と呼んでみます)を示します。

数値が1を超えて高いほど、少数の人口で多くのGDPを稼いでいるという事になります。

先進国とその他の国との格差とも捉えられます。

G7は1950年には約2でしたが、2000年ころには6近くにまで増大し、

それ以降は低下して直近では4.5程度となります。

主要国では1.1程度から徐々に増加し、直近では1.35程度となります。

つまり、人口のシェアよりもGDPのシェアのほうが増大しているというわけですね。

その他の国と地域では、逆に1975年に0.8程度だったのが直近では0.6程度までに低下しています。

人口の急激な増加の割には、経済的成長が追い付いていないわけですね。

逆に経済成長の余地が大いにあるという事も示しています。

行き詰まる先進国の状況と、まだまだ増え続ける世界人口、これから台頭してくるであろう新興国などの様子が見て取れたのではないでしょうか。

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