020 中小企業経営で大事なモノとは!?

1. 何のために企業を経営するのか?

中小企業経営者の視線から、閉塞感の強まる日本経済に必要なモノとは何かを一緒に探っていきたいと思います。

前回は、OECDのデータを元に、本当に日本の中小企業は多いのか、について取り上げてみました。

日本には実に300万社近くの企業が存在するという事がわかりました。

そのほとんどは中小企業ですので、300万人近くの中小企業の”社長さん”が存在する事になります。

その家族などで一緒に企業経営にあたる人数を含めれば更に多い事になります。

私もその中の一人になるわけですが、私達企業経営者は、何のために会社を経営しているのでしょうか。

特に、大企業ではなく中小企業の経営者さんは、そのままその企業のオーナーである事も多いと思います。

このブログは、そういった経営者さんに是非読んでいただき、将来の事業について一緒に考えていくきっかけになればと思っています。

もちろん従業員として働いている方や、これから起業を考えている方にも是非参考にしてもらえればと思っています。

中小企業経営者にとって、自分の会社を経営する事はどういった意味を持つのでしょうか。

① 役員報酬などの収入を得るため

② 事業を通じて社会貢献するため

多くは上記の2つに集約されるのではないでしょうか。

それでは、事業を通じて社会貢献をする、とは具体的にどのようなこと含まれるでしょうか。

②-1 事業活動を通して社会に役立つモノやサービスを生産・供給する

②-2 仕事を創出し、従業員を雇い、雇用の安定に貢献する

②-3 利益を出して、税金を納める

②-4 利益を出して、株主に配当金を分配する

②-5 外注、資材調達、設備投資により、外部に仕事を出す事で周辺の経済の活性化に貢献する

②-6 その他のCSR活動による社会貢献

概ね上記のような内容になるのではないでしょうか。

企業が存立し事業を行う事によって、上の項目が同時進行で進みます。

改めて企業って、すごいですね。

企業経営者は年度の初めに自分の報酬を決めます。

したがって、その年度にいくら頑張って稼いでも、悲しい事に自分のお給料は増やせません。。。

なので、自然と①よりは②の方に意義を見出す経営者の方も多いのではないでしょうか。

今回はこの中でも、ひとまず”税金”についてスポットを当ててみましょう。

2. 敢えて税金という切り口から。。。

税金と聞くと、私はあまり良い印象を持ちません。

なんだか、余分にお金を取られるイメージですね。

企業経営者の方でも、税金をなるべく納めないで済むように、節税対策ばかり躍起になる方も見受けます。

しかし、自分たちの納めた税金が、広く社会に役立てられるのですから、社会貢献という事では税金を納める事はとても意義のある事だと思います。(思いたい)

いずれ、財政やMMTなどについても取り上げてみたいと思います

それでは、まず日本の税金は世界的にみて高いのでしょうか、低いのでしょうか。

税収内訳

図1 各国の税収内訳 2016年 (OECD統計データ より)

図1はOECD36か国の2016年における税収の内訳を示します。

数値は各国のGDPに対する税収の割合を%で示してあります。

国によって税の名称などが異なりますので、あくまでもOECDの区分通りとしています。

酒税やたばこ税なども消費税の中に含まれています。

また、社会保障負担も税としてカウントしています。

1位のアイスランドは実にGDPの半分以上(51.6%)が税収となっていますね。

デンマーク(46.0%)、フィンランド(43.9%)、スウェーデン(43.9%)の北欧諸国もやはり高い水準です。

G7ではフランス(45.4%)、イタリア(42.5%)、ドイツ(37.3%)の水準が高いですね。

日本は30.6%で26番目の水準、アメリカに至っては25.9%で32番目の水準です。

日本やアメリカは、先進国の中でも税率が低いと言えそうです。

アイスランドの財産税の高さがことさら目を引きますが、上位の国のほとんどは社会保障負担の割合が高いですね。

税収の内訳として多いものは、①消費税、②社会保障負担、③所得税、④法人税、⑤財産税といった順番です。

①~③は圧倒的に多いですが、④法人税からは各国とも大した割合ではない事がわかります。

3. インパクトが大きいのは実は法人税ではない!

税収内訳の推移

図2 税収内訳の推移 日本 (OECD統計データ より)

それでは、日本の税収についてもう少し詳細を見てみましょう。

図2はOECDのデータのうち、日本についての推移を示したものです。

1990年から直近の2016年までをグラフ化しています。

1990年と2016年を比べると、所得税、法人税は下がり、社会保障負担、消費税が増えています。

なかでも社会保障負担が大きな割合を占めていることがわかりますね。

全体としての水準は25~30%のあたりで、それほど変わりませんが、近年では少しずつ増加傾向のようです。

経営者の皆さんの気にされる法人税については、直近ではGDPの3.7%に過ぎません。

4. 従業員の雇用と給与アップで経済は回る

さて、ここで考えてみたいのですが、税収のうち所得税や社会保障負担は企業が労働者を雇用し、給与を支払う事で発生します。

法人税は、売上から、事業活動で必要となった仕入れや経費などを引き、残った税引前の純利益に対してある割合で課されます。

社会全体でどちらのインパクトの方が大きいかというと、当然、所得税+社会保障負担ですね。

これは事業で利益を出すのではなく、従業員を雇用する事で生まれます。

つまり、企業活動の中で忘れがちですが、経済的にも大きな影響のある社会貢献とは”従業員を雇用する事”ではないかと思うのです。

当然ですが、従業員が給与を得る事で、生活のための消費をするわけですし。

法人税は、事業活動のあまり(利益)の御裾分け、程度の感覚で良いのではないでしょうか。

実際に、税収の内訳の中でも大した割合ではありません。

今回は、税金という切り口から、企業経営にとって、利益を出す事以外で忘れがちな大事な事に辿り着きました。

私が経営者として大事だと思うのは、「従業員を雇用し、十分に利益の出る事業を創り出す事」です。

これは、資本効率の最大化を追求する大企業には、なかなかできない事だと思います。

ただし、ここでの「雇用」とは、単に従業員を雇って生産性の低い仕事をさせる事では無く、時代に合わせて最適な従業員の活用の仕方を柔軟に変え、生産性の向上に生かしてていく事を意味します。

合理化を指向する大企業ではできない、人間にしかできない”多様性のある仕事”を創り出せるのは、中小企業の経営者だけではないでしょうか。

大企業では合理化を進めるために、人員削減を含めた省力化がテーマとなります。

中小企業では大企業では埋められない、ニッチなニーズを”仕事”として労働者に割り当てる事が出来ます。

特に自分自身がオーナーでもあるような中小企業経営者は、長いスパンで経営計画を描けます。

自分自身の収入や事業の利益ばかりに固執するのではなく、広く自分の事業活動の意義を考えてみても良いのではないでしょうか。

みなさんはどのように考えますか?

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